桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】



「………っ」
 


はっとしたように顔があげられた。


恋理はにっこりとする。



「ね? 友達の定義なんてそれぞれでいいけど、あたしは桐のこと、友達って目で見てるよ」



「………っ」
 


今度はほっぺたを真っ赤にさせて、膝の上で拳が握られる。


……何だろう、いちいち動作が可愛すぎる……絶対王子様なんかじゃないだろ。


小さなお姫様でいいと思うよ。


誰だよ王子扱いなんてしだした奴。


俺がぶっ飛ばしに行くよ。




「まー、師弟関係とかアホ抜かしてるボケもいるけどねー」



「………っ」
 


今度は俺が冷や汗をかきつつ拳を握る番だった。
 


恋理のなんかイイ話に水を差すのは俺の存在か……!