「うん。識輝ちゃん。王子様って言うんなら、識輝ちゃんの友達の方がそんな風に言われてる。でも、私が目指したのは識輝ちゃん」
……女の子に憧れて、王子様って言われるようになったの?
そう訊くと、桐さんはやや視線が下がった。
「何でだろう……」
こっちが何でだろうだよ。
「ひむ、その辺りは今後相談に乗ってやったら?」
「あ、うん」
割っていった恋理に、反射的に肯いてしまった。
……条件反射というやつですな…。
恋理は桐さんに向きなおる。
「桐、あんたは少し考え過ぎ。あたし、昨日から桐の友達の気でいるよ?」



