「~~~ごめん氷室くん! 急ごう!」
蒼ざめ桐さんに――今度は、『桐さん』に腕を引っ張られて廊下を失踪することになった。
教室に戻ったのはギリギリだったけど、桐さんの『目立ちたくない』という懸念を一つ壊してしまったのは確かだった。
『王子様が男子を連れて爆走していた』
……どういう方向に、皆さんにとられているのかわからなかったけど……。
取りあえず俺、今日一日は女子たちに仇(かたき)みたいな瞳で見られていました……。
桐さんが目立ちたくないって言った意味を体感したような気がします……。
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