桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】



「うん?」



「いい、よ……それで……」



「桐さんで、いいの?」




「私も氷室くん、て呼んでるし……似たり寄ったりかな、って」



「じゃあ桐さん」



「……何かな、氷室くん」
 


桐さんは少しだけ腕を解放して顔を見させてくれた。



「もう行かないと遅刻扱いになる」
 


と、腕時計を見せる。



針が示す時間は猶予を許さなかった。