「俺と付き合ってください」
 


と、右手を差し出した。
 


夕暮れの、公園ではなく学校。



いるのは桐華と俺だけ。
 


あのときははぐらかされてしまった指に、そっと細い指が触れてきた。



「……よろしくお願いします」
 


……恥ずかしそうな表情を見せるのは、華の名前が似合う女の子。
 


俺は手を繋いだまま、空いている左腕でその頭を抱き寄せ耳元に唇を寄せた。






 今日から、王子様はやめてね。
 もう俺だけの、お姫様だから。




fin