「いや、ごめん……謝るのは私の方だ。氷室くんは悪くない。謝る必要もない。……悪いのは、氷室くんから逃げ出した私だ……」
「………それ、訊きたかったんだ」
もうすっかり、頭はクリアになっていた。
「どうして師弟関係解消なんて言ったの?
や――解消でよかったんだけど、結果俺も前に進めたから――でも、理由はわかんなくて……訊いてもいい?」
俺は若干首を傾げて、桐華ちゃんの顔を覗き込んだ。薄く開いた唇が、一文字に引き結ばれた。
一秒。
そして、開いた。
「……私も、晃くんじゃなくなってたんだ……」
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