教室の入り口から呼びかけると、桐さんは驚いたように肩を跳ねさせた。 む? 緊張させないように、関係解消前と同じ感じで呼んでみたんだけど……。 「あ……」 俺を見て薄く口を開いた。 そして鞄を摑んで駆け出した。 俺がいるのとは反対の扉から。 ……え? 「桐さ――」 「来るなああああああ!」 木霊を残しながら走り去っていった。