「じゃあ、氷室くん。師弟関係は解消ね」
 


声をなくした俺に、じゃあね、と言葉は夕焼けのように、でも今までみたいには振り返って手を振ってくれることはなく。
 


桐さんから、解消宣言をされてしまった。
 


今は曖昧になっていた、師弟関係の。
 




放課後の部活。



俺と彼方は時期外れの新入部員だから、学年関係なく雑用係。
 


そのために素早く体育館へ向かうと、桐さんはもういた。



一人でボールを持って、シュート練習をしていた。
 


桐さん――いつものように声をかけると、振り向いた桐さんは無理している顔だった。