恋理は解けた、かな。
 


一晩のうちに入部届じゃなくて創部届作っちゃったあたりは恋理らしい。
 


彼方は――らしくないと言われるかもしれないけど、これこそ彼方の通常運転で、男子バスケ部に入る。
 


恋理を責められない気持ちも怒れない気持ちもすっと消えてしまった俺も、男バスへの入部届をしたためた。
 


恋理の時間が動いて、俺たちまで止まっている必要もなくなった。
 


恋理の所為にするのは違うけど、俺たちにあった恐怖心がなくなったんだと思う。
 


そして、師匠とガチの試合をしてみたいとこっそり思っていた俺の夢は叶いそう――だった。
 


少なくとも、入部して、その日が終わりかけるまでは。