……彼方が同じことを思っていてくれて、よかった。 俺が言うべくはそれではないはずだから。 「恋理」 呼びかけると、恋理が顔を向けた。 まー涙でぐちゃぐちゃだった。 「今度、ボール遊びしよーよ」 恋理がバスケと――コートとかゴールとか、そういう『バスケ』を作る規定されたものに恐怖を覚えているなら、ただの遊びをしよう。 恋理は一際大きく息を吸うと、