桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】



いつもハキハキした恋理から答えはなかった。


え、ちょ、ガチになりすぎじゃないか?



「泣いちゃうかも」



「そんなことになったら彼方殴る」
 


てか、泣いてた。あげられた顔は笑顔で、細められた瞳は潤んでいた。



「駄目よ。ひむに殴られたら彼方が落ち込む」



「いや、そろそろこの仮定の話やめようよ。恋理も想像で泣くとかするなよ」
 


どんだけ惚れてんだ。
 


……俺に遠慮しなくていいのに。
 


そう言えればいいのに。