「……はっ!」 「な、なによ、いきなり怖い顔して」 「桐さんの傍に彼方のにおいがする」 「……お前は犬か」 「ヒト科です」 「はいはい。愛しの桐さん探してきなよ。……いや、ちょっと待って」 「ん?」 「ねぇひむ……彼方ってやけに桐を気にしてるわよね?」 「………」 わよね、と言われても。