「聞いた?」 「氷室くん……」 夏香ちゃんが、「少ししてから行く」というので、私は先に出た。 離れた場所にいたのは氷室くんだった。待ち構えていたような立ち方だった。 「夏香ちゃんだったら話してくれるかなって思ったんだけど」 「うん……聞いたよ。恋理ちゃんの、事故のこととか」 中学校時代のこと。 「……夏香ちゃんのこと、怒った?」