「あのプライドの高い恋理が土下座なんてするんだよ? 何か言葉なんて、言えなかった。言えたのは、ありがとうくらいだったかな……」 「………」 ……俯いた影から雫がはたりと。 「なにも……いえなかった………あたしたちじゃ、恋理の心をすくってあげられなかった……あたしたちのためにもがんばってくれた恋理なのに、あたしたち、『もう大丈夫』とか、『いつもの恋理に戻った』とか、勝手に思って……。 恋理にせめて寄り添えたのは、氷室と彼方先輩だけだった」 「………」