「うちの中学から来た女バスの子は、みんな中学でも一緒だったの。その中には恋理もいた。
恋理ね、キャプテンだったんだ。すっごいんだよ。先輩たち全員に推薦されて、同輩後輩からも支持されて。統率力があって頑張り屋で。
あのひむひむや彼方先輩と一緒にいられる子だもんね。それで、うち、女子はあんまり強くなくて……。
恋理がキャプテンになって、初めての大会のとき。コートが二面あって、こっちがアップしてるときに、隣では試合をしていた。
……そこからボールが飛んできた。パスが滑ってしまったみたい。それで、普段なら恋理、避けられたし受け止められたと思うんだよ。一番上手いのも恋理だったから。
でもそのときはキャプテンになって初めての大会で、コーチや監督と話し込んでいるときだったの。
恋理は反応が遅れて――ボールは右目に激突した。



