「! な、なんで桐ちゃんが持ってるの⁉」 「ごめん、少しトラブルがあって私が見つけてしまったんだ」 これは、そう言うように氷室くんから言われていた。 なるだけ角を立たせたくない、という意向に私も肯いた。 「そんなーっ! 今日は彼方先輩にもひむひむにも見つからないチャンスの日だったのにー!」 な、夏香ちゃんは叫んで頭を抱えてしまった。 「あ、あの、これは何なの? 私、中は見てないんだけど……」