「あたし心配なってきたわ。桐も結構天然鈍いとこ入ってるし」 「似た者同士でいんじゃね? 初っ端から告白し合ってたじゃん」 「だから心配なの。揃って悪い奴に騙されないかとか、海辺で助けた見ず知らずの亀について行っちゃわないかとか……」 「最後のは妄想行き過ぎだと思うけど。俺に騙されねーんだから大丈夫だろ」 「彼方は人騙すの苦手じゃない。人に誤解させるのは得意だけど」 「………」 「そろそろ止めてくる。――ひむ、いい加減にしなさい!」