「上月高校一年七組の日迎氷室です。 言い直しますと、先程の桐さんの技芸に惚れました。 心技体総てを極める意味での師匠になってください。よろしくお願いします」 俺は頭を下げて手を差し延ばした。 確か男が女性に何かをお願いするときって、こんな風だった気がする。 テレビの情報ってすごいよね。 ……反応がないのでうっすら見上げると、桐さんは俺の言葉の意味を呑み込むように何度も瞬いている。 綺麗……藍色の瞳だ。