「桐ちゃん、ひむひむのことバスケ部に誘ってるの?」 未音ちゃんが声を潜めて訊いてきた。 「うん。氷室くんすっごい上手。ほしい逸材」 「うん、ひむひむも彼方先輩も上手いよ。ただ……あのね?」 「うん?」 「あまり、恋理の前では言わないであげてほしいの」 その声が申し訳なさそうで。 ……私の知らない中学時代と、幼馴染の時間。 憶測だけでははかれない世界。 「恋理ちゃん? 何かあるの?」