「氷室。これ以上ボケてっと恋理さんぶっ飛ばしちゃうわよ。彼方を」 「心します。でも彼方が殴られんならいいや」 「ちょっと待て! 俺を巻き込むなお前ら!」 恋理の人差し指から解放されると、彼方が騒いでいた。 彼方は《苦労性》という人類らしい。 名前からして大変そうだよね。 俺は改めて師匠とお話するために立ち上がった。 こうしてみると、背丈も恋理とそれほど変わらないんだなぁ。 さっきはすごく大きな背中に見えたけれど。