おばさんの運転で病院に通っている雪ちゃんは、一週間前まではその帰りに海岸で降ろして貰っていた。


そこで学校帰りのあたしと落ち合って、二人で彼の家に歩いて帰っていた。


だけど……。


今週に入ってからは、雪ちゃんは僅か五分の距離を歩けなくなってしまって、今はおばさんの運転する車で彼の家に帰るようになったんだ……。


雪ちゃんの中に存在する悪魔が彼の体を確実に蝕んでいる事が、こんな短期間で安易に目に見えるようになって……。


どんなに嫌でも、雪ちゃんに課せられたタイムリミットを意識せざるを得なくなっているんだ……。