わざわざ、そんなになるまでして、なんでもねぇことねえべ?
あ、また馴染みのない言葉が出そうになった。まいいや。
そんなことは、置いといて
「あの子、よかったの?」
一応ね、気にならないわけじゃあないし。
まだハァハァ言ってるものの大分落ち着いた様子の潤ちゃん。
「ん・・・だい、じょ」
ぶ。が聞こえなかった。
アンタの方がよっぽど不安だ。
斜めかけのスポーツバックがなんとも重そう。
「そんな急いで来なくっても...」
再放送は16時からだし、十分間に合っただろうに。
なんてちょっと思っただけなのに
潤ちゃんって人はさ、ぶっ飛んだことを言ったわけ。
「―――間違いたく、なかったから」
ん?
・・・ナニガ??
「俺の人生、あんなとこで誤解されたら困るから...。」
人生かかってんの?そんな重いわけ?
疑問が頭に浮かぶものの、口出す雰囲気じゃなかったので黙っていると
「彼女なんかじゃない。さっきの」
へー・・・そっか。ってさっきも言ってたけど。改めて聞くと、なんだか妙にしっくりこない。
ちがうのか、勿体ない。
「俺は____...」
オレは?
「俺はっ!彼女なんか、まだいらねぇ!!!!!!」
ヒュウ~っと
風の音だけが、潤ちゃんの叫びに拍手した。
ただでさえ静かなこの田舎に
彼は大声量で未成年の主張を響き渡らせた。
向こう畑で作業してたじぃちゃんなんか、ビックリして持ってた大根落っことしてた。
あぁ、かわいそうに。



