恵一は軽く笑って
「まぁな。そこそこデカいよ」
と自慢する。
「今度連れてってください」
ダメ元でのお願いだ。
どう考えても気が早い。
「そのうちな」
つれていく気があるのかないのか、曖昧な返事。
やましいことがたくさんあるから、連れていきたくないんじゃないの?
あるいは、私みたいな可愛くもない彼女、親に紹介したくない?
ぐるぐる考えを巡らせていると、
「それより、先に俺を由紀の家に招待してくれても良いんじゃないの?」
なんてことを言い出してしまった。
「え、うちにですか?」
「そう」
それはまずい。
うちに来られると、私が松井紀子の娘であることがバレてしまう。
玄関にはまだ松井の表札をかけてあるし、部屋には母の遺影がある。
私はとりあえず、
「そのうちね」
と答えておいた。



