綺麗というより、物が少ない。
物が少ない分何がどこにあるかは把握しやすかったけれど、特に怪しいものもない。
母に繋がるようなものもなければ、例えばそう、AVとか元カノの写真のような、女に見られて困るものの類いもなかった。
掃除はあっという間に終わってしまった。
収穫無し。
骨折り損だ。
このままずっと何もなかったら骨折り損どころではない。
告白し損でキスし損で抱かれ損で、おまけに付き合い損なのだ。
そんなの、納得できない。
絶対に何か掴んでやる。
靴を履いて恵一のいる一階へと降りる。
恵一は包丁を握ってアボカドの種を取っていた。



