仇恋アベンジャー


何となく手を繋いで狭い階段を上った。

暗くて寒い部屋に明かりを灯し、駆け足で暖房を入れる。

恵一は風呂を入れに浴室へ。

私はファンヒーターにかじりつく。

まだ曇っていない窓を見ると、近くの木にも雪が積もっている。

枯れ木残らず花が咲く。

なんて歌ってみたりして。

「あっ、お前、ズルいぞ」

浴室から戻った恵一が隣に座り込む。

二人して暖かい風を奪い合う。

そうやって笑い合っていると、いつかこれが当たり前になっていって、そのうち本物の恋人同士になってしまうような気がした。

気を確かに持っておかなくちゃ。

とてつもなく悪い印象を抱いて彼と接してきたからか、最近では良いとこばかりが目につくようになってしまった。