仇恋アベンジャー


一通り閉店作業が終わって、最後に大きなクリスマスツリーの明かりをオフにする。

存在感抜群のツリーが輝きを失うだけで、店内は一気に寂しくなる。

「雪、溶けましたかね?」

「さあなぁ。溶けてても路面が凍結してるさ。危ないから、原チャリはやめとけ」

「そうですね」

話しながら恵一は髪を解き、私はエプロンを解く。

ふと目が合うと、恵一は私に向かって歩いてきた。

目の前にそびえ立つ大男。

大男は暖かい手で私の両頬に触れると、腰を屈めて同じ高さまで小さくなる。

軽く唇が触れ合うと、余韻を楽しむでもなくそそくさと私から離れた。