そんな匠先輩に感謝をしつつ、何とか恵一を探ろうと私から率先して声をかける。
「マスターっておいくつなんですか?」
恵一は目も合わせずに答える。
「28」
「思ったより若いんですね」
「……よく言われる」
冗談も通じないようなつまらない男。
特別に顔が良いわけでもない。
母はなぜこんな男に貢いでいたのだろう。
この店の2階に住居があって、そこに住んでいるようだが、特に怪しいところもない。
「お前、いくつだっけ?」
「21ですけど」
「思ったより上だな」
「……よく言われます」
一通りの人となりを聞いてみても、母との繋がりなんて微塵も感じられない。
いったい何者なのだ。



