仇恋アベンジャー





「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」

雪が積もっているにも関わらず、この日は客がたくさん来た。

主に近所のマダムたちである。

「寒いわぁー」

「温かいの、早く飲みましょ」

常連のマダムたちはそう言いながらいつもの窓辺の席に座った。

この店に来るマダムたちは、どうやらちょっとリッチな生活をしているらしい。

ブランドもののバッグは当たり前。

今日は雪だということで、着ているコートやマフラーの自慢をし合い、誉め合っていた。

このマダムたちと比べると、アクティブな母もずいぶん控えめに感じられる。

働いて、私の面倒も見て、たまに恋愛もして、慌ただしい毎日だったと思う。

倹約家の母は、こんなオシャレなカフェで日常的にランチやおやつを食べることなんて、ほとんどなかったはずだ。