引き出しは想像していたより軽く開いた。
中身が乱れないようにゆっくり開くつもりだったのに、開けた瞬間軽くカタッと音がなったことに焦る。
音から判断すると、私が開いたのがバレてしまうほどの動きはなかったと思う。
ホッと安心して中を覗いた。
中には恐らく大事なものに分類されるものがたくさん入っている。
パスポートや年金手帳、重なってよく見えないけれど何かの書類。
だけど私の目的はこれらではない。
預金通帳なのだ。
私は外の音に細心の注意を払いながら
記帳し終わったと見られる過去の通帳を手に取った。
母との繋がりの証拠がここにあるはずなのだ。



