このカフェにやって来た当初に比べると、冗談も通じるようになってきた。
ぶっきらぼうだった恵一も笑顔を見せるようになった。
女が苦手だと聞いていたが、私に慣れてきたのだと思う。
今や互いの恥ずかしいところまで見せ合った恋人同士。
「マスターって、料理人だったんですか?」
少しずつ、彼のことを探っていこう。
焦るときっと怪しまれる。
「いや、違うよ」
「料理できるから、料理人だと思ってました」
「はは、そうか。俺は栄養士だよ」
「栄養士?」
「そう。給食とか病院食のメニューを考える栄養士」
「へぇー、そうだったんですか」
恵一が作るランチのメニューは見るからに栄養のバランスが良い。
食事メニューにはカロリーの表記もあるし、どうやって計算したんだろうと思ってたけど、その道の人だったのか。



