仇恋アベンジャー


私と交代でバイトを上がった匠先輩が帰ると、店には恵一と二人きりになった。

大きなクリスマスツリーが虚しく輝く。

「今日は暇だなぁ」

厨房から恵一の声が聞こえてきた。

「暇ですねぇ」

とカウンターから返す。

こちらへやって来た恵一は、隣に並ぶとそびえ立つように背が高く感じる。

私たちはお互いではなく出入口に体を向けた。

ガラスに映る二人の身長差。

頭1個分はある。

「あんまり隣に立たないでくれませんか。私が小さいの、バレるから」

すると恵一は小さく笑って

「それが彼氏に対する言い草か」

と私の頭に大きな手をのせた。

私の小ささはさらに際立つ。

「すみませんね。こういう関係、慣れていないもので」

可愛いげがなくて悪かったな。

本気で好きならそんなこと言わないし。

「ま、俺は無駄にデカいからな」

「小さいよりは良いじゃないですか」