「好きでもないのに……身体売ってまで探りたいの? そいつのこと」
情けない声を上げた雄輔に言ってやった。
「身体くらい、安いもんよ」
そして私は風呂に向かった。
寒いけどシャワーで済ませて、雄輔が入れたコーヒーを飲む。
恵一が入れたコーヒーとは違うインスタントな味に顔をしかめると、こんな私でも舌が肥えてきたのだと実感した。
恵一のキスは、恵一の味がした。
今までに味わったことのない、男の人の味がした。
舌が触れ合うと、私の身体から目に見えない何かが一気に放出して、その全てが恵一に溶け込んでゆく感じがした。
このまま恵一に抱かれ続けたら私が恵一に染められてしまうようで、あまりいい気はしない。
願わくば、早いこと事が片付きますように。



