私はベッドの中で着替えを済ませ、ちょっと緊張しながら恵一のもとへと向かった。
香ばしいトーストと上質なコーヒーの香りがお腹の虫を刺激する。
「おはようございます、マスター」
「おはよ。随分よく眠れたようで」
「ええ、泊まるつもりはなかったんですが。すみません」
「何言ってんだ。彼女なんだから、好きなだけいていいんだよ」
「……はい」
促されるままテーブルにつき、用意された朝食を二人で食べる。
サンドイッチとサラダ、そしてフルーツ。
恵一は男くさい容姿のわりに、女子が喜ぶメニューをとことん心得ている。



