き、きた……!
ここ最近、お義母さんはよくこの話題を出す。
初めこそ顔を赤くしていたが、最近では慣れてきてしまった。
「だから、気が早いよ母さん」
呆れたように恵一が言う。
私たちはまだ、結婚して数ヵ月。
私も卒業して就職したばかりだから、もう少し二人の時間を楽しみたい。
「いいじゃないの。二人の時間は学生時代にもう十分過ごしたでしょう?」
「まぁ、そうですけど」
「どうせ作るなら、若くて体力があるうちの方がいいのよ。早く産めば社会復帰もしやすいし」
結婚が遅く、子供を授からなかったお義母さんの言葉には妙な説得力があって、早いとは思うけれど自分もその気になってくる。
私と恵一の未来には、夢がキラキラと輝いている。
私が初めてこの店にやって来た頃は、誰がこんな未来を予測できただろうか。
ふと恵一が近寄って、私の耳元に口を寄せた。
そして他の誰にも聞こえないくらい小さな声で囁く。



