仇恋アベンジャー


「ああ、由紀。どうしたこんな時間に」

昨年長かった髪をバッサリ切った恵一は、胡散臭い印象がなくなり、清潔感のある爽やかなおじ……お兄さんになっている。

「原稿が出来たから、チェックしてもらおうと思って」

手に持っていた髪をヒラヒラさせると、無表情のまま受け取り原稿を眺める。

私が勤める小さな広告代理店が毎月発行する、地域密着型フリーペーパーに掲載する記事の原稿だ。

「どう?」

「なんだこりゃ」

眉間にシワを寄せる恵一。

予想通りの反応を見られて、笑わずにはいられなかった。

「恵一ならそんな反応すると思った」