何もしてあげられなかった息子のために、産みの母として出来ること。
考えたところで、きっとお金しかなかった。
いつか恵一の役に立てればと、塚原家に疎まれながらも毎月毎月、決して豊かではない自分のささやかな贅沢をも切り詰めて送り続けた。
お母さん、よかったね。
願いは叶えられていたよ。
どんなに母を蔑まれても、罵倒されたとしても、全部許せる。
ちゃんと恵一のために金を運用してくれていた塚原夫妻に、母の分も、心から感謝。
「ありがとう、ございます……!」
もう一度深く頭を下げて礼を述べれば、父親の穏やかな声が部屋に響いた。



