だけど、本当はちゃんと育ててあげたかったんだと思う。
母親としての愛情を注ぎたかったんだと思う。
私にとっては偉大な母だったけど、本当は不器用で弱い人間だったのだろう。
上手くやろうと思ってもできなくて、身も心も疲れ果てて、社会から突き付けられた「母親失格」の烙印。
腹を痛めて産んだ子供を奪われたけれど、きっと息子は救われたとも思ったに違いない。
実子でない私を育ててくれたのも、母親失格の汚名を返上したかったからなのではないだろうか。
私がちゃんと育てて、母親としての自信を取り戻したかったのではないだろうか。
恵一を探し出せたのは、彼がすでに二十歳になってからだった。



