「由紀?」
恵一の声で、両親の視線がこちらに注がれる。
私は涙をそのままに、テーブルから少しだけ離れて足を揃えた。
ヒビが入っていることなんて、頭から吹っ飛んでいた。
そして膝の前に両手をつき、勢いよく頭を下げる。
私にはもう、これしか言えないと思った。
「ありがとうございます」
母は絶対に、送った金を恵一のために使ってほしかったはず。
「母の願いを叶えて頂いて、本当に本当に、ありがとうございます」
自らのふしだらな生活のせいで生まれてくることになった恵一。
母は若すぎて、独りぼっちで、ちゃんと恵一を育てることが出来なかった。



