「その口座なら、僕が持っているよ」
「本当ですか?」
やっと、やっと……口座の在処がわかった。
あの日、偶然「塚原恵一」の名前を見つけてから、約4ヶ月。
回り道をしたし、誤解もしたし、たくさん傷ついたり傷つけたりしたけれど、それらが全て報われたような気がした。
母の償いは、ちゃんと届いていた。
ホッとして力が抜ける。
「ああ。そして、振り込まれていた金だが」
再び空気が引き締まる。
「恵一の店のために使ったよ」
「ええっ?」
恵一と母親の声が重なった。
どうやら二人は知らなかったようである。
「ちょっと待て。俺、そんなこと聞いてないぞ。開店資金は銀行から借りた」



