仇恋アベンジャー


母親とは違い、穏やかな顔で迎え入れてくれた父親。

話し方が恵一と少し似ている。

「あなたっ! この子は……」

そんな彼に彼女が異論を唱えようとする。

しかし、

「事情は中で聞こう。お嬢さんは怪我をされているようだし、ここに立っていてはお前も寒いだろう」

そう言って奥の部屋へと戻っていった父親。

私たち三人は一度顔を見合わせて、暗黙の了解で彼に従うことにした。

ホッとした。

母親に敵意を剥き出しにされている中、父親にまでヒステリックになられてはくじけてしまう。

私は背中に母親の視線を感じながら、怪我をしている足から靴を抜き取った。