テレビを見ていた雄輔に問いかけると 「誰それ? 俳優?」 と返ってきた。 雄輔なんかに聞いた私がバカだった。 私すら知らないのに、母と離れて暮らしていた雄輔が知るわけないのに。 「違うよ。ほら、これ見て」 通帳を見せると、興味無さそうに受け取った。 「ああ、塚原ってこれ?」 「そう。毎月振り込みしてるの。貢いでたみたい」 「母さんが?」 「うん」 「あの母さんが?」 「うん」 やはり雄輔もにわかには信じられないようだった。