恵一に手を伸ばし、解かれた髪に指を通した。
私と同じように緩くウェーブがかかっているが、染めていない分痛みの少ない髪は指通りが滑らかだ。
髪が強いのが自慢だった母の遺伝子を半分引き継いでいるだけのことはある。
彼が母の実子であると思うと、とてもいけないことをしているような気にもなるけれど、お互いが実母に捨てられ養母に愛されたという共通の境遇に運命めいたものを感じたりもする。
ただ彼の実母が私の養母だったというのが厄介なだけ。
さっき恵一が調子に乗って言った台詞ではないけれど、もし彼と普通に出会っていたとしても私はきっと彼を好きになっていたと思う。
なんて、私こそ調子がいいのかもしれない。



