仇恋アベンジャー


「言っとくけど、もしお前が俺に迫ってこなかったとしても、俺はお前のこと好きになってたと思うよ」

「調子良いんだから」

とは言いつつ、無口で無愛想な彼がこれだけ笑って楽しそうにしているのだから、あながち嘘ではないのかもしれない。

だって私だって、憎しみをいっぱい抱えて彼のもとを訪れたのに、甘えるように擦り寄る彼が、今何よりも愛しい。

初めてこの店にやって来たときには、こんな気持ちになるなんて思いもしなかった。

「ちょっと、マスター……」

「ん?」

気付けば恵一の手が服の中に入ってきている。

「何やってるんですか、怪我人相手に」

「もう無理。我慢できない」

「ヒビ入ってるとこが折れたらどうするんですか」

「それ以上に気持ち良くする」

「バカ……!」