「心配するなってのは無理があるけど。いずれは通らなきゃいけない道だからな」
「いずれはって……」
結婚するわけじゃあるまいし。
これから普通に付き合って、上手くいけばそうなるのかもしれないけれど。
私たち、離れていた時を入れても、まだ一月しか付き合っていないのに。
恵一は寝転がる私に覆い被さり、ウェーブのかかった髪に触れる。
大きな手。
温かい手。
私たち、どれくらいこの関係を続けられるのだろう。
「俺だって、お前の親父さんに挨拶したんだぞ」
「そうですね」
「不公平じゃね?」
「そういうもんですか」
「さぁ。俺、今まで親に女なんて紹介したことないし」
彼の手が頬に触れたと思ったら、すぐに唇が落ちてきた。
もう。
真剣な話をしてるのに。



