私を見た彼女が逆上する様が、リアルに想像できる。
恵一は苦笑しながら私の横に腰かけた。
「俺、お前と別れる気はないし、だったらこの間の件と俺たちの件、一度にまとめて怒られといた方が得なんじゃないかと思ってさ」
「得、ですか?」
怒られる前提なのに。
「ああ。先延ばしにしても仕方ないだろ」
確かにそうかもしれないけれど。
急に提案されても心の準備が整いそうにない。
「嫌か?」
「嫌っていうか、怖いです」
「俺を探るために迫ってきた女がよく言うよ」
「それはっ……!」
それとこれとは別だ。
あの時だってありったけの勇気を振り絞った。
恵一の実家に訪れたときもそうだ。
この1ヶ月で、私は一生分の勇気を使い込んだと思う。



