仇恋アベンジャー


ベッドの上で枕を抱き、唸りながら考える私を見て、恵一が提案した。

「一緒に実家行くか?」

「え?」

あの母親を思い出し、体が硬直する。

「俺、マジで知らないからさ。両親なら知ってるんじゃねーかと思って」

「なるほど。でも、私は行かない方がいいのでは?」

あの母親が私を受け入れるはずがない。

血は繋がらずとも、私は恵一を捨てた女の娘なのだ。

「そうも思うんだけどさ。俺も今、お袋とはギクシャクしてるし。このままじゃダメだとも思うし」

恵一の言う通りだ。

逃げていたって、仕方がない。

でも。

私は恵一に関わるなと言われたばかり。

恵一は母親イチオシのお嬢様をバッサリ見捨てたばかり。

会いに行くには、早すぎるのではないか。

「もう少し時間を空けてからにしませんか」

心の準備と言う意味でも。