年が明けた。
私は新年を新居で迎え、父の許可をもらって恵一の部屋に来ている。
「由紀だってもう大人だからね」
父は少し面白くなさそうだったけれど、娘が彼氏だと紹介したこの胡散臭いロン毛の大男にも寛容だった。
恵一は大きい体をめいっぱい恐縮させて、小柄な父にペコペコ頭を下げていた。
彼が母の息子だということは、父にはまだ伝えていない。
でもいつか、時期が来たら……。
カフェが正月休みの間は恵一の世話になる。
私は部屋から出ずに過ごすことになるだろう。
片足が不自由な状態であの階段を上り降りするのは危険だし、大変だ。
愛しさ余って恵一についてきてしまったが、階段を見たときには少し後悔した。
父のマンションなら、エレベーターで上り下りできるのだが。
正月休みが終わったら、私はあの階段を降りなければならないのか……。
父が心配しているのとは別の意味で、帰りたくなくなるかもしれない。



