仇恋アベンジャー


そのまま恵一の顔が近付いてきて、一瞬だけ唇が触れ合う。

それは本当に軽いキスだったけれど、私は全身の血液が沸騰したように熱くなった。

たったそれだけの行為が、私を世界一の幸福者にしてくれる。

「続きは、また今度」

「え……?」

続きって、そういうことだよね。

私たちに未来があるってことだよね。

「今日はお前の気持ちを聞けただけで十分だから」

恵一は立ち上がり、

「じゃあ改めて、親父さんに挨拶でもしてくるよ」

と笑う。

「それじゃあ、私も一緒に行きます」