「俺に何か用があったんだろ?」
「もうなくなりました」
「何だったんだ?」
「言いませんよ、今さら」
優しく問いかける恵一に刺のある口調でしか返せない。
イライラする。
早速別の女に乗り換えた恵一が腹立たしい。
私のこと、愛してくれてると感じていたのに。
その愛にほだされて、私まで好きになってしまったのに。
「マスターはこんなところまで何しに来たんですか?」
プイッと彼に背を向けた。
ベッドが跳ねて、彼が側に腰を下ろしたのがわかる。
「言い訳、しにきた」
何の言い訳よ?
大体予想がつくけど。
「言い訳なんて必要ありませんよ」



