予期せぬ声に、体が固まった。
どうして、彼がここに?
「マスター……?」
恐る恐る顔を出す。
そこには黒のダウンジャケットのポケットに両手を突っ込んで佇む大男。
気まずそうに私を見下ろしている。
「なんで……どうして……」
「雄輔に聞いた。大丈夫か?」
あの野郎!
連絡しなくていいって言ったのに。
「生きてるし怪我も大したことないし、大丈夫ですよ」
生憎心の方はかなりダメージが残ってますがね。
とまでは言わないが。
「昨日、うちに来たんだってな」
「……ええ」
あなたには、会えませんでしたけどね。



